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単眼鏡

単眼鏡を使ってみよう

単眼鏡は焦点調節式弱視鏡ともいわれています。片方の眼で使用するために1本の筒状になっています。遠用弱視レンズの代表的なものですが、近用として使用できるものもあります。手持式のものが多く、小型のものは眼鏡枠に取り付けて使用できるものもあります。

単眼鏡の倍率は4〜8倍のものがもっとも多く利用されています。高倍率のものになると視野が狭くなり、わずかな揺れで対象が大きく動くこと、単眼鏡自体が重くなることから取り扱いが難しくなるためです。
単眼鏡の写真

単眼鏡の操作方法

単眼鏡の操作は一般的に両手で持って三角形を作ることが基本姿勢とされていますが、私は片手で操作するようにすすめています。単眼鏡を片手で持ち、親指と人さし指で接眼レンズ側(窓)を回転させ、そのほかの指で筒を固定します。

慣れないうちは両手を使用してもかまいませんが、最終的には片手で使用できるようにします。手がぶれるような場合には、ひじを机の上に置いて固定したり、片方の手で単眼鏡を持つ手の手首を支えます。

単眼鏡で対象をとらえるには、対象の方向に視線を合わせその方向に単眼鏡の向きを一致させます。単眼鏡の視野は狭く、距離感も異なるため、単眼鏡をのぞきながら対象を探すのはとても困難です。とくに少し離れたところにある対象を探す場合には、いきなり対象を見つけようとするのではなく、その周辺にある手がかりをたどることも必要です。

対象をとらえることができたら焦点を合わせます。単眼鏡のレンズを目一杯開くと、単眼鏡の種類により30〜60cmのところで焦点が合います。この操作は、比較的近いところにあるものを見る場合に行います。少し離れたところにある駅の時刻表や経路図などを見る場合には、指1本分程度レンズを狭めて焦点を合わせます。対象にすばやく焦点を合わせて見るためには、このような操作がもっとも有効です。単眼鏡の溝の幅と対象との距離の関係がつかめるようになると、対象を発見したときにすばやく微調整で焦点を合わせられるようになります。

単眼鏡を操作するときのポイント

(1)単眼鏡の操作は、両手ではなく片手で行えるようにします。
(2)静止している対象をとらえるには、トレーシングの技法を用います。対象を直接見つけるのではなく周辺にある手がかりをたどると比較的スムーズにとらえることができます。
(3)動いている対象をとらえるには、トラッキングの技法を用いて、単眼鏡で対象を丹念に追いかけることが必要です。
(4)対象にすばやく焦点を合わせるには、対象との距離を判断することが重要です。この距離感を養うためには、ジャンプコンバージェンスの訓練を行うことが必要です。
(5)全体の様子を見るためにはスキャニングの技法が重要です。スキャニングをするときは腰を軸にして上体を動かします。
(6)演劇やコンサート、ミュージカル、スポーツ観戦、自然観察など、自分が興味のある分野で単眼鏡を活用します。
(7)日常生活のなかで基準点になるものを経験的に把握します。

単眼鏡を自由に使いこなせるようになると、日常生活のなかでさまざまに眼にするものを確認することができるようになります。たとえば、信号機や交差点周辺の目印、交通公共機関の運賃表や路線図などを確認することができます。また、野球やサッカーなどのスポーツ観戦、芸術関係の鑑賞、旅先での風景など、自分の興味や関心に合わせてさまざまに活用の幅を広げることができるようになります。

弱視眼鏡を使ってみよう

弱視眼鏡とは、眼鏡の枠に専用の拡大レンズを組み込んだいわゆるかけ眼鏡式タイプのものです。近用のものが中心ですが、遠用や遠近両用のものもあります。また、単一または複数のレンズが組み合わさったものがあり、さまざまな型や倍率のレンズがあります。

一般的に、レンズが高倍率になると対象との間の距離が短くなりますが、この距離を一定に保ちながらレンズの倍率を選択することができるものもあります。近用レンズには、専用のレンズが用意されているタイプと遠用レンズに近用キャップをかぶせるタイプのものとがあります。

また、実際に弱視鏡を選定する場合にはツアィス、エッシェンバッハ、キーラーなどのトライアルセットを用いて評価します。

弱視眼鏡は一般的には片方の眼だけで使用しますが、比較的低い倍率の場合には両目で使用することも可能です。また、使用するときは正しい視距離を維持することが必要です。とくにレンズが高倍率になると、焦点深度が浅いことから対象との距離がわずかにずれただけでも像がぼやけてしまいます。

また、弱視眼鏡の大きな利点は両手をあけて作業をすることができることです。長時間の学習や趣味、はんだ付けなどをするときに有効ですが、対象との距離が短いと違和感を感じることもあります。

弱視眼鏡を使用するときのポイント

(1)対象との距離や作業時間により、適切なレンズを選択する。
(2)対象との距離と作業域との関係を把握する。
(3)対象との距離が短いときは照明や書見台を使用する。
(4)比較的高価なため、選定にあたっては十分に時間をかける。

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