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拡大・縮小ルーペ

拡大鏡(ルーペ)を使ってみよう

拡大鏡には、手持式、卓上式、照明付、携帯用、単眼鏡などがあります。レンズの倍率も、低倍率のものから高倍率のものまでさまざまあります。しかし、どれもひとつあれば全てに対応できるものではないので、自分の眼の屈折異常などの状態や使用する場所や用途に応じて、必要なものを選んで使い分けることが必要です。

屈折矯正と拡大鏡の倍率について

多くのロービジョンの方が、屈折異常を矯正されずに高倍率の拡大鏡を使用していることがあります。なかには、屈折矯正不能ということから未矯正である方もいます。拡大鏡を使用するには、現在の眼の状態をきちんと把握し、屈折異常があればそれを矯正する必要があります。

屈折異常が矯正されていないと文字はボケて見えます。矯正されないまま拡大鏡を使用すると文字は拡大されて見えますが、やはりボケたままではっきりと見ることはできません。

また、眼鏡を新しく作り直したり、眼科で視機能検査をして矯正をしてもらっても、それまでとさほど変わらないような感じを受けることがあります。また、眼鏡をしばらくかけていないと、矯正をしてもあまり変わりばえがしないような感じがすることもあります。

しかし、矯正をして少しでもシャープに見えるところがあれば、拡大して見たときにはそのシャープさも拡大されます。つまり、まったく矯正しないよりはずっと見やすくなります。

屈折異常があり矯正されない場合には、拡大鏡の倍率を調整する必要があります。たとえば、拡大鏡を眼前で使用する場合に、近視では比較的低い倍率で必要な視力を得ることができますが、遠視では高い倍率が必要となります。

手持式拡大鏡を使ってみよう

手持式拡大鏡は、軽量で携帯性に優れているため日常生活のさまざまな場面で手軽に使用することができます。普段のちょっとした確認をするにはとても便利なルーペです。倍率は低倍率から高倍率のものまで幅広くあるので、用途にあわせて使い分けます。また、中倍率から高倍率のものには照明付のものもあります。とくに手元で暗さを感じる場合には、照明付のものがあると便利です。
手持式拡大鏡の写真

レンズの表と裏

拡大鏡に非球面レンズが用いられている場合には、使用方法によってレンズの表と裏を使い分ける必要があります。たとえば、拡大鏡を眼前に近づけて使用する場合には裏面を、紙面に近づけて使用する場合には表面を用います。

レンズの表と裏を確かめるには、方眼紙などの紙面に拡大鏡をのせてみます。この状態で像が歪んで見える場合は裏面、歪んでいない場合は表面から見ていることになります。また、レンズを眼前に近づけて見たときに像が歪んで見える場合には表面、歪んでいない場合は裏面ということになります。いずれにしても、拡大鏡を反対に構えると像は歪んで見えます。

手持式拡大鏡の使用方法

手持式拡大鏡を使用するには2つの方法があります。ひとつは拡大鏡のレンズを紙面に近づけて、自分の眼を近づけたり遠ざけたりしながら焦点を合わせて見る方法です。この場合はレンズの表面を使用します。 手持式拡大鏡のイラスト

もうひとつは、レンズを自分の眼の前に近づけて、紙面を近づけたり遠ざけたりしながら焦点を合わせて見る方法です。この場合はレンズの裏面を使用します。 手持式拡大鏡の使い方をしめすイラスト

レンズの表面から見た場合と裏面から見た場合では拡大率そのものに変化はありませんが、レンズを眼前に近づけて見る場合と紙面に近づけて見る場合とでは、レンズと紙面との距離の関係から拡大されて見える範囲が変わります。

たとえば、レンズを紙面に近づけて見る場合には、レンズと紙面との距離が近いため、拡大される範囲は狭くなり見える文字の量も限られてしまいます。それに比べて、眼前に近づけて見る場合には、レンズと紙面の距離が離れるため、拡大される範囲は広くなり見える文字の量も多くなります。

ですから、視野をできるだけ広くとりたい場合には、レンズを眼前に近づけて裏面から見ます。しかし、手が震えるなど眼前にレンズを保持することが難しい場合や近接したところから見ることに不慣れな場合には、レンズを紙面に近づけて表面から見るようにします。

手持式拡大鏡を使用するときのポイント

(1)レンズを紙面に近づけて見る場合には、レンズをぴったりと紙面にあて眼をゆっくりと離しながら焦点を合わせます。
(2)レンズを眼前に近づけて見る場合には、紙面をゆっくりと近づけながら焦点を合わせます。
(3)視距離が指定されているレンズの場合は、その距離を維持します。
(4)頭部などで影ができるなど手元が暗い場合には、照明付拡大鏡を用います。ハロゲン球やLED対応のものがあるので、そのなかから見やすいものを選択します。
(5)手が震えるなど、視距離を維持できない場合には拡大鏡の握り方を工夫します。このような場合には、手や指の一部を紙面にあてると操作が安定し、距離を楽に維持することができるようになります。

卓上式拡大鏡を使ってみよう

卓上式拡大鏡は、見たいものの上に直接置いて使うことができます。低倍率のものから高倍率のものまでさまざまな倍率のものがあり、照明付のものやレンズの下に筆記具を入れて書くことができるものもあります。手持式に比べると扱いやすく、レンズと紙面との距離を維持する手間も省けます。 卓上式拡大鏡の写真

屈折異常が矯正されていない場合

屈折異常が矯正されていない場合には、卓上式拡大鏡があわない場合もあります。たとえば、近視で矯正されていない場合には、軽度であれば調節をしなくてもクリアな像を得ることができますが、強度の場合には矯正しなければ、どの距離からでも焦点のあったクリアな像を得ることはできません。これは、卓上式拡大鏡のスタンドが長いことから、レンズと紙面との距離が離れすぎるために生じます。あえて見ようとするなら、スタンドを短くするか、スタンドの内側に紙面を入れなければならないため、このような場合には卓上式拡大鏡は不向きであるといえます。

また、遠視の場合には調節が必要です。強度の遠視で矯正されていない場合や無水晶体眼などで調節ができない場合には、レンズを少し持ち上げるようにするとレンズと紙面との距離を長くすることができるため、クリアな像を得られることがあります。

卓上式拡大鏡を使用するときのポイント

(1)視力が比較的良好な場合には、卓上式拡大鏡でも十分に対応できることが多く、小さな活字や画数の多い活字を見るときに有効です。
(2)強度の近視で屈折異常が矯正されていない場合には、適切な矯正眼鏡を装用して使用するか、接近視で網膜像を大きくして見るまたは手持式眼鏡を使用します。
(3)強度の遠視で屈折異常が矯正されていない場合や無水晶体眼などで調節ができない場合には、レンズを少し持ち上げるか、矯正眼鏡または近用眼鏡を装用します。

照明付拡大鏡と書見台を使ってみよう

手持式と卓上式拡大鏡の高倍率のものには、照明が付いているものもあります。頭部の影で手元や紙面が暗くなってしまうようなときには照明付拡大鏡があると有効です。また、このような場合には、照明付拡大鏡のほかに書見台を使用するなどの工夫も必要になります。

照明付拡大鏡と書見台を使用するときのポイント

(1)拡大鏡を長時間使用する場合には、不自然な姿勢にならないように書見台を活用することをすすめます。
(2)緑内障や糖尿病網膜症などにより視野が狭い場合には、そのことが原因で暗さを感じることがあります。このような場合に拡大鏡を選定するには照明付拡大鏡からはじめます。
(3)照明付拡大鏡は電池を使用するために重くなります。そのため、手持式の場合には手がぶれやすく視距離を維持することが難しくなる場合があります。このような場合には、手や指の一部を紙面にあてると操作が安定し、視距離を楽に維持することができるようになります。

携帯用拡大鏡を使ってみよう

携帯用拡大鏡にはコンパクトなものが多く、外出時などにちょっとした確認をするのに有効です。1枚のレンズで視野が広くとれるものやレンズが2〜3枚連なっているものなど、さまざまななものがあります。

外出先で、見るものが決まっている場合には1枚のレンズだけでも十分ですが、さまざまなものを見る場合には繰り出し型で2〜3枚のレンズを重ねることで倍率を変えられるものがあると便利です。レンズを重ねて使用するため歪みが生じやすいのが欠点ですが、倍率を2〜3段階に変えることができるのでさまざまな場面で対応することが可能になります。
携帯用拡大鏡の写真

縮小ルーペ

【工事中】

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