今朝の4時とその前日の4時。目が覚めたのでNHKのラジオ深夜便を聴いた。「夫婦で歩むバッハへの道」とのタイトル。バイオリニストで視覚障害の和波孝禧氏とピアニストの土屋美寧子氏ご夫妻の話を楽しく聴くことができた。その中で、和波氏が夫婦喧嘩をして何が一番困るかを話したときに沈黙されることをあげていた。思わず、そうそうと心の中でつぶやいた。視覚障害のある人たちとのコミュニケーションで突然沈黙するのはタブーである。視覚障害者には状況が分からず心理的な圧迫を与えるからだ。
もう一つ。話された話の中で、ピアノは伴奏ではなくデュオであることが強調されていた。それぞれの音が一体となって一つの作品になるわけだからともに創っている感覚。どちらが主かという議論ではなくどのようにお互いが補完していくかが大切で、対等に関わることで音が磨かれていくことを夫婦の歴史を通して語られているのを、うんうんと肯きながら聴いた。
聴きながら、リハビリテーションの世界も同じで「主体は誰か」を外さなければ、どの専門家も対等に補完しあう関係であるからこの音の話とも通じるなあと感じた。
この話に興味を持った人は心配はいらない。期間限定だがNHKのネットラジオ「らじる★らじる」からラジオ深夜便に入り、「明日へのことば」までたどると聴くことが出来る。随分便利な時代になったものだ。