原職復帰する上で、「大切にしたいものはなんですか?」との問いかけにどのように応えるのか。本人の復職したい強い意志が肝心ではあるが、その意思を保ち続けることは難しい。
障害を受容する中で、時間的に「無為」な時間を過ごすことが多い。逡巡しずきて、具体的に生き切れないことがあるから。一方で障害を受けとめられると、その本気で悩み、苦しんだ時間があったから「いまがある」と思える。その分かれ道はなんだろう?
いま、原職復帰に向けて取り組んでいる夫婦がいる。旦那さんが中途の視覚障害となった。
復職に向けての意欲もある。家族の協力もそこそこ。子どもが大学進学を目指して受験勉強中。ごく普通の家庭だ。周りも様々に支援している。が、何かが違うのだ。言葉に表現できない。具体的には言えないけれど・・・。
本人や家族の生々しい思いが伝わってこない。冷静なんだけれども、何につけても他人事のような感じ。大切な自身の人生なのに、どこか空虚な感じがする。
人それぞれ感じ方や価値観や大切にしたいものは違うので、こだわりはしないが、改めて、ご本人や家族に、大切にしたいものはなんですか。と問いかけてみたい。