続けざまに、網膜色素変性症の教員の方と会う機会を得ている。一人は、8月に5日間の訓練を実施すべく手続きを始めている。他のセンターでは、なかなかと手続きが面倒であるが、神戸のセンターでは独自の取り組みがある。また、訪問指導などにも取り組んでいる。女房役の主任がアイデアマンであり、障害者自立支援法に精通していることもあり、このようなシステムが成り立っている。
まだ、始動していないが、関西圏のロービジョンケアのネットワークは、関東よりも先んじている気配がある。大きな声をだしていないが、堅実に取り組んでいるようだ。
そんな気配に押されるようにして、「視野」についても、いままでの実践を振り返りつつ、新たな訓練手法を整えている。中心視野と周辺視野の特徴をよりきちんと押さえたうえで、それぞれの生活課題にすんなりと取り組めるような課題も整理している。
また、視覚障害のタイプにより、両眼視の今一歩うまく用いる方法なども、これまで以上に実感できる内容へと変化させるつもりである。
これらの実践については、折に触れて、ブログに書き込んでいこうと考えている。

もう一つ。久しぶりに感覚日記を書き始めた。随分、ご無沙汰していたのだが、毎日書こうと思っている。これも関西の気配があと押ししてくれている。いま住んでいるところは新幹線の高架があるのだが、西明石に停車する場合とそうでない場合の走行音の違いが面白い。朝夕には、瀬戸内海を航行する汽笛が聞こえる。
職場や住居の周りは、緑が豊かなのもまたいい。4月に赴任した際には、染井吉野が満開であった。つつじやサツキの赤や白、薄緑や黄緑、深緑の葉、ここのところの雨でアジサイもゆつくりと薄いピンクや紫、青がグラデーションになって色づきをそえる。
居酒屋や小料理屋のテーブルやイスなんかの座り心地なんかも楽しんでいる。
日々経験していく、気にかけないと消え去っていきそうな実感を記憶に留めておきたいと
願ったかだが、書き始めると、改めて表現するにふさわしい言葉が少ないことに気づく。
生きているということは、気づきの連続だなどと思う。
そう、とても充実した日々なのだ。