あるアトピーの青年から拡大読書器について問われた。30代半ばで生活保護受給者。視力は両眼とも矯正視力で1.2。視野も問題ない。強い乱視がある。辞書や文庫本の活字が読めないので拡大読書器が必要だと言う。
もちろん、拡大読書器が必要ならば自費で購入するのも構わない。本人自身の選択の問題だから・・・。
しかしである。確かに強い乱視があって、文字を読むのに疲れることがあるとしても、他の対応が十分になされていないことの方が問題なのではないか。適切な矯正眼鏡が処方されていない。さらに、文字を拡大したところで見えにくさは何ら改善されない。
けれど、その青年は、拡大読書器さえ手に入れれば、文字が読める。それで良いだと。仕事をする必要はないし、あなたには関係ない。使い方も我流でいいではないか。ただ欲しいのだ。
それほど意固地になってしまった原因はなんだろうか?そんなことを考えた出会いだった。