今週末に再び上野の森へ出かけようと意思している。目的は前回同様美術館巡りだ。一つは都の美術館で開催されている「冷泉家 王朝の和歌守展」、もう一つは聖地ポタラ宮と天空の至宝展」。ゆっくりと見てまわるには人が多すぎるけれど、実物を目の当たりにする感動は、実際の場面に遭遇しないとわからない。イメージが邪魔するからだ。実際よりそのものを大きく捉えていたり、逆に小さく捉えていたり、形態や素材なんかについても見て初めて感じられるものがある。
もちろん、手に取ってみて感じることも必要だろうが、なかなかそうはいかない。かって、子どもたちと町中のストリートファニィチャーとか彫像を触りに触ったことがあった。見た目とは違う質感がとても印象的であった。眼的な表現方法だけではない、質感に伴う表現方法があることを子どもたちの素直に触るという行為の中から気づかされたものだ。
ロービジョン学会の際に、ロンドンの自然史博物館に行った時にも、展示物に触れさせてもらった。そのものの持つリアリィテイは何ものにも変えられないほど新鮮な感覚を味わった。本物の持つ存在感とでもいうべきものなのか。やはり、そういった体験を積み重ねていきたいと思った。
NHKの「音の風景」を最近よく聴くのだが、自分の知っている音風景に出会ったときには、懐かしい響きとその光景を思い出したりする。が、知らないものを聴いていても、創られた音?なのではないかと考えたりもする。しかも、なじみがない分、耳の中を流れていくだけなのである。
今週末の美術館巡りをいまから楽しみにしている。