久しぶりに家族8人が揃った。子どもたちが長ずるに従って一緒に過ごす時間は減っていく。年末年始をともに過ごすと言ってもお互いの時間が合わず、すれ違いになりやすい。3.11以降、家族の絆が言われ年末商戦でも家族の絆を意識しての展開だったとか。鍋を囲むというのが定番とも聞いた。そんな中で「焼肉」をすることとなった。
焼肉をして野菜をおいしく焼けないことにストレスを感じることがある。コツは肉は肉だけ、途中の箸休めとして野菜を中心に焼くといい。火の通りやすいものと通りにくいものの時間差攻撃も有効のようだ。そんな調子で焼いていたら、「野菜がおいしいね」と言われ少々満悦になった。
よく若い視覚障害者の人から「バーベキューに行くのですが、肉が焼けているかいないか
の区別がつかず困っています」と問われることがある。肉が焼けるとスーッと離れる。くつつかないのだ。肉の片面に火が通ると、網で焼いても鉄板で焼いても肉がくっつかず裏返しやすくなる。
レア、ミディアム、ウェルダンなど焼き方の好みも人さまざまである。だから片面が焼けて裏返し、もう片面に火が通ったらすぐに食べればミディアムの食感となるし、ウエルダンなら更に30秒前後焼けばいい。もちろん火力との関係も考慮する必要があるのだが。
料理のレパートリーが増えたのもちょっと立ち止まって考えると、家族に「おいしいね」と言われたく様々に工夫し、食べさせたことが大きかったような気がする。案外、料理自体が得意になるかならないかは、食べさせたい相手の喜ぶ笑顔をみたいかどうか、そんなところにあるように思った。そう、誰かの喜ぶ顔が元気のもとになるし、そのための苦労は大したものでもないということに違いない。