空港で。夏休みになったせいか、たくさんの子供たちと巡り合う。搭乗までの待ち時間、目の前を過ぎ去っていく人たちを眺め見る。発展途上の子供たちの動きは面白い。父親や母親を気にしつつも、ふっと見失うことがある。しばらく、うろうろと探すのだが、見つけられないことがままある。考えてみれば視力が完成するのは、6歳前後というから、見落とす可能性がないともいえない。その子ども達に共通しているのは、注意の集中や継続性にあるのだと思う。ふっと、注意が途切れると、いままでやっていた行為の、その意味を見失うのではないか。逆説的に言えば、注意の集中、分散、維持と言うのは、成長過程の中で身につけていくもので、中途視覚障害になるとその注意の向け方がうまくいかないことからも、眼が使いにくくなっているのかもしれない。
子ども達を飽きずに見つめていると、一つ一つのことに集中している時間は驚くほど短い。親御さんたちも、その次々に展開していく子どもの興味の転移に戸惑いつつも応えている。